前回の続きです(なんで長くなるんでしょう)。その1はこちら。
おまけで録音するときのコンプレッサーというエフェクターについてです。
その1とその2を読んで機材を用意してみたけれど、それでもまだ物足りないよ〜という人もいるかもしれません。
私は演奏録音する時はコンプレッサーというエフェクターをかけることが多いです。
ちゃんと説明すると難しいエフェクターですが、ものすごく簡単に言うと音量の大小を揃えてくれるエフェクターです。
太鼓の音を録音するとしたら、強く叩いても弱く叩いてもその間くらいの音量にしてくれる、といったイメージでいいと思います。
そんなことをして一体何になるの? 不自然な音になるんじゃないかな
それって下手な演奏をごまかしてるだけじゃないの?
と思われる方もいるかもしれません。私もそんなふうに思っていた時がありました。
ただこれにはちゃんと理由があって、今時のデジタル録音では録音された音は実際の音よりダイナミックス(音の強弱)が広めになってしまうという事情があるのです。
どういうことかと言うとピアノの演奏で例えると、ピアニッシモ 、ピアノ 、メゾピアノ、メゾフォルテ、フォルテと演奏したとすると、実際よりも録音した方が極端に聞こえてしまうということです。
だから機械の力で調整してあげます。
実は世の中に出回っている音楽のほとんどはこの処理がされています。だから聴く人もこの調整が入っていない録音されたままのデータには何とも言えない違和感をもってしまうものなのです。
他の理由としては今の音楽は音圧が高ければ高いほどいいという時代なので、過剰にコンプレッサーをかけた音が氾濫していて、当たり前のようにそれに耳が慣れてしまったのでむしろその方が普通に聞こえてしまうということもあります。
だから録音しただけの演奏を聴いていまいちだなぁと思っても、コンプレッサーを使って(詳しくは書かないけどリミッターも使って) ダイナミクスを調整してあげると、意外にいいかもって思えるときがあるかもしれません。
ここに書いたことは絶対にしなければいけないというものではないんですが、これもその1とその2に書いたことの繰り返しで、
録音されたデータを聞いて今の自分の実力だと勘違いして自己嫌悪に陥るのはとてももったいないと思います。