篠笛の種類 「改良篠笛」みさと笛について

古典調の笛に対してドレミファソラシドに近い音が出る笛があることを前のエントリーで説明しました。

ドレミの笛を語る時に避けて通れないのは昭和30年に山川直春先生によって発表された「みさと笛」です。

みさと笛は、西洋の音楽も日本の音楽もどちらでも対応できるように完全に調律された改良された篠笛で、普通の篠笛と違い裏穴があるのが特徴です。

この裏穴が何のためにあるかというと、七穴篠笛の弱点である1の音の出しにくさを克服するためとも、「ドシドシ」のようなフレーズを演奏しやすくするためとも言われています。

六つの穴を指で塞ぐ1よりも何も押さえない1の方が明るくて豊かな音が出るというわけです。

私はみさと笛の裏穴の使い方についてもっと納得のいく説明を聞いたことがあります。それは「あっそれですね、セロテープで塞ぐのが正解です」というものです。

なんとも皮肉な話ですが、実際に裏側をセロテープで塞いだ方がより吹いていて楽しい好きな笛になりました。

みさと笛を作っている工房は全国にあるみたいです。しかし正式にみさと笛と名乗るには作った後いったん東京に送り検定を受けて「みさと」の認定を受ける必要があるみたいです。

なのでそれをしなかった場合、裏穴はあっても厳密にはみさと笛じゃない笛になります。私が持っている東雲という笛もそのひとつみたいです。

みさと笛にはさまざまな意見があることも知っています。なぜ裏側に穴があるのかとか、完全調律をしたいのならもっと他にいいシステムがあるのじゃないかとか。

しかし今もっといい笛があるのは時代的に当たり前の話です。

昭和30年代に西洋音階に完全調律された笛を開発できたのはすごいことなんじゃないでしょうか。

ただ完全調律といっても残念ながら「吹く人が確かなら」ということになります。どんな完成度の高い篠笛でもデタラメな音は出せるのが現実です。

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